理由

 

 

イライラして、気が立っていた。
何が原因だったかなんてとうに忘れてしまった。
今は目の前のオッサンをただひたすら犯しつづけている。
手足を束縛し後ろにはバイブをつっこんで、
身動きとれずにもがくだけのオッサンの口に自分のモノをつっこむ。
噎返り、苦しげにしている頭をおさえて。


オッサンが何か言っているのにそれすら聞き取れない。

その行為に没頭することもできずに、頭のどこかがフル回転し答えを導きだそうとしている。

全く無意味。

そう、全く無意味な回転。自分で制御できなくなったから、こうしてオッサンにあたっている。

悪循環が頭をいっぱいにしていく。


いつの間にかただ機械に犯されつづけるオッサンを眺めていた。

辛うじて目をあけているオッサンと目が合う。
また、『やめろ』だの言葉をはくのかと口元をみていたらこんなこと言いやがった。

大丈夫か・・・と。

途切れとぎれにしか言葉をはっすることしか出来ない状態にあるのに、このごにおよんで人の心配かよ。

ギロロの言葉を無意味にフル回転させていた頭で理解したとき、
頭の中に強烈な衝撃がはしり、それに共鳴しラボ全体の電力が落ちた。
すべてが暗闇につつまれ、目の前のオッサンすら見えない。
オッサンが動いている気配はするのに音が聞き取れない。

ふと触れられた感覚がした。

その束縛を解き、ギロロが目の前にいたようだ。
ここまで真っ暗だとどれだけ近いかもわからない。
どうせ殴られるんだろう、いつものことだと考えていたのに・・・

力なく抱き締められた。
少し驚いていると耳元で声がした。
「なにをそんなにイラついている・・・」
なんでイラついていたのか。
オッサンがわかるくらい自分はイラついていたのか。
情けないな。
自分自信にあきれ苦笑する。

やっと体温を感じられるようになった。
暖かい体。
やっと聞こえるようになった。
オッサンの息遣い。
心音。

そばに居る感覚。

心地いい・・・


オッサンの肩に頭をおき軽くうなだれていたら、
気付いたら涙が出ていた。
泣き方なんて忘れていると思ったが、思わぬときにでるものだ。
暗いからどうせ見えないだろうとそのままにしていたら、肩に涙が落ちオッサンに気付かれた。
少し頭を放され、手で確認される。

頬を水分がつたう。
拭われる。
また伝う。
また拭われる。

泣き方を覚えていないのだから、泣きやみかたもわからない。
涙だけが頬を伝う。
それに感情があるのかないのかそれすらわからない。
いや、わかる必要もない。また無意味なことが増えるだけだ。

また無意味にフル回転していく頭をぼんやりと追っていこうとしたときにふと現実に引き戻された。
オッサンの手が俺の眼鏡に手を掛け上にずらし、目元に涙を拭うように軽くキスをした。
そしてふわりと放し、もう片方の目にもキスをし、眼鏡をもどされた。

正直驚いた。

あんたさっきなにやられたかわかってるのか?
色々なことが一瞬に頭をかけめぐり、無意味な回転は歯車をたされたように正常に戻っていく。
気がつけば自分からオッサンをきつく抱き締めていた。

フッとラボに明りがもどった。

色々な感情におそわれていた顔はいつも通りの表情に戻し、
何もなかったようオッサンが壊した拘束具を片付ける。

オッサンは立てないらしくちょこんと座っていた。

気恥ずかしいのであまり顔を見ずに肩に手を掛け立たせてやり、そこらのイスにすわらす。
オッサンはすまないと一言いい、うなだれるようにイスにもたれかかっていた。

居心地がいいような、わるいような複雑な空気を肌が感じとり違和感をあたえる。

だが、こんな空気も悪くない。


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どうも私が書くとクルル目線になるようです。
そして
・・・
また病んでるな・・・クルル()
なんせ自分が病んでるときにふと書きたくなるみたいだから、どうも文章がそれにリンクしやすいようです。
(ってことは私はギロロに助けて欲しいのか。いや、むしろ助けて欲しい)
また読んでみたいと言ってくれた方こんなんですみません(滝汗)

05.10.01


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